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by revolver0319

春の入り口でおもうこと

机を捨てて、新しい天板に変えるための準備をしていると、机の引き出しの奥から一通の手紙が出てきた。

宛名はもちろん俺宛。几帳面な文字は女性らしい美しさが込められている。

「大森茂幸様」
ああ。俺の名前はこんなに美しいのか、なんて感じながら眺める。

差出人は母親。
中身は何年も前の日付の印鑑証明と住民票に、簡単な中にも俺を心配する手紙。

きっとろくでもないことで、母親を保証人にしようと企んでいたが、印鑑証明も住民票もそのままということは、その悪巧みが行われることはなかったのだろう。

何をしようとしていたのかは、まったく記憶にないけれど、こうして亡くなった母親の直筆のものがあるということはいいな。雨が降ったりやんだりで、どことなく弱気になっていた俺は、「そうかぁ」なんて意味もないことを思いながら、やるしかないよなぁ。

そう、いいきかせる。
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by revolver0319 | 2012-04-26 22:36